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信頼を築き上げてきたブランドですら、対応を誤ると簡単に崩れてしまうということ
最近、食品の問題がよく取り上げられていますが、いずれの場合も長い歴史の中で信頼を積み上げ、ファンさえ存在しているようなブランドを持つ企業ばかりです。
そんな強力なブランドイメージを持っている企業であっても、対応を誤ったばかりに信頼を失い、その後の売上の回復が難しかったり、過去においては企業そのものが消滅してしまうこともあります。
信頼を作りあげるのには様々な困難と長い時間が必要ですが、信頼を壊すのは簡単であっという間にできます。
今回の長年愛されてきた焼きそばの対応について
テレビや新聞で報道されている情報によると、虫が製造過程で混入した可能性は否定できないそうです。
この問題も問題の画像が大学生が使用するTwitterに上げられた当初は、捏造だと言われていた時期もありました。
広報担当も当初は「混入の可能性はない」という対応を取ったために、通報者の訴えと意見の相違が発生し、さらに混入の写真があまりにも衝撃的だったこともあり、インターネットにおける情報が拡散しやすい条件が完全に成立してしまい、話題性抜群の情報として拡散してしまいました。
この情報の拡散の条件は大きくは以下の3つを満たすことだと考えています。
- 情報の希少価値が高い(=ネタとして話題性がある、面白いと感じるような内容)
- 意見が対立していたり、情報に矛盾点がある。(=どっちが正しいの?という疑問が生まれるような状況)
- 一般的な考えとは異なる対応をしている。(=多くの人が???と思ってしまう)
1だけでも十分に拡散しますが、2、3が加わることで拡散する力が大きく増大すると考えられます。
今回は、既にTwitterの情報が拡散しており、会社とのやりとりがインターネット上で発信されているのにも関わらず、電話しかなかった時代のような個別の問題として極小化しようとしたことが問題です。
つまり、情報は話題性がある、または面白ければ面白いほど拡散するのです。逆を言えば、面白くなければ拡散はあまりしないということです。
もし、「直ちに生産・出荷を停止、市場の全商品を回収し、全数チェックを実施します。」という対応をした場合、どのような結果となっていたでしょうか。損失は発生しますが、むしろ逆に評価が上がったのではないでしょうか。
情報の拡散を抑制することを考えるのではなく、何が正しい対応なのかを考えて対応することが重要
企業としては問題を最小限の被害に留めたいというのは当然だと思います。
しかしながら、現代のようにインターネットが個人レベルで普及している状況においては、その情報の真偽とは関係なく、話題性の高い情報は急速に拡大してしまうことは避けられないと考えるべきです。
この拡散を抑制する唯一の方法は、情報の真偽に関わらず誠心誠意対応することです。これが唯一の正しい対応方法といってもいいと思います。
仮に情報が本当だった場合は、対応は間違っていないことになり、素早い対応が評価されます。もし情報が捏造だった場合は、捏造情報の発信者は社会的な地位を失いますし、犯罪にすらなる可能性もあります。ですが、企業としては捏造情報だったのにも関わらず、素早い対応かつ、誠心誠意対応をしたことから、この場合であっても評価は上がるでしょう。
このような問題は他人ごとではなく、すべての会社において何らかの形で発生する可能性があります。実際にそのような状況に遭遇した時にどのような対応を取れるのか、それは常日頃から社員全員で問題発生時の対応方法を共有することだと思います。
弊社にしてもも例外ではなく、社員全員でお客様にとって最善とは何か?を考え続け、共有していきたいと思います。
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