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WEBサイトの問題点を視覚化する。視線の動きを調査するアイトラッキングとは?
みなさんはアイトラッキングという言葉を聞いたことはありますか?
アイトラッキング
人の眼球の動きを記録して分析する調査手法。印刷物やウェブサイト画面などを見るときの眼の動きを調べることで、人の判断に与える影響について探る。
アイトラッキングを使った調査をすることで、WEBサイトのどこにどのような問題があるのかを具体的に知ることができるようになります。
今回は日本マーケティング・リテラシー協会様(JMLA)と株式会社きもちラボ様のご協力で専用機器を用いたアイトラッキングを試す機会をいただくことができました。
今回のブログの見出しはコチラです!
専用機器を使ったアイトラッキングとは?
WEBサイトにはマウスの動きをトレースしたり、クリックした点をプロットすることでヒートマップを作ってくれるツールががあります。しかしながら、これはあくまでマウスの動きを追っているので実際にユーザーの視線がどこに注目しているのかを正確に判断することはできません。あくまで擬似的なものとなります。
アイトラッキングは専用のメガネ等をかけることで、実際に見ている箇所を完全にトレースすることができるという技術です。
こんな感じのちょっと何か普通のメガネとは違うぞ!?って感じのメガネをかけてアイトラッキングは行います。
(※今回使ったものというわけではありません。機器のイメージです。)
アイトラッキングというとこういう研究してます!!みたいな雰囲気の機器を使うんだろなぁ・・と思っていたのですが、最近はずいぶんとコンパクト&スマート化してますし、これなら使い勝手も良さそうですね!
実際のアイトラッキングの様子を動画で見てみる
論より証拠。百聞は一見にしかず。言い方はいろいろありますが、実際にアイトラッキングをしている様子を見てみるのが一番です。まずは動画を見てください。
日本マーケティング・リテラリー協会様のWEBサイトを見たときの視線の動きです。
機器を操作しているユーザーの目線が高精度で視覚化されていることが分かります。どのくらいの速さでどのように視線が移動しているのかまで把握できるのが専用機器を使ったアイトラッキングの特徴です。
今回、さらに別の2人の方にもアイトラッキングをしていただきました。その時の視線の変化がこちら。
いかがでしょうか?
視線って同じところを見ているような気がしていましたが、結構あっちいったりこっちいったりと、いろいろなところを見ているんだなぁ・・という印象を持ったのではないかと思います。
このままだとなんとなく分かった気がするし、アイトラッキングって面白いね!!
ってくらいで終わってしまうので、この視線の動きを基にしてアウトプットすることができる
「ヒートマップ(Heatmap)」と、
「ゲイズプロット(Gaze Plot)」
を見ていきたいと思います。
ヒートマップとゲイズプロット
ヒートマップとは?
さっそくヒートマップを見てみましょう。先の視線の動きから画面上で滞在時間が長かったところ、つまりよく見られた箇所ほど赤くなるように表現したものがヒートマップです。
※以下のヒートマップは3人分のデータの合成値から作ったものです。
このヒートマップの結果から、真ん中に設置したバナーに相当な注目が集まっていることが分かります。また、3つ並んでいるブログは左にあるものほど注目されていることも合わせて分かります。文字を読むのと同じで人間は左から見る傾向があります。ですから、左にあるものほど注目が集まりやすくなります。
ヒートマップは見た目で直感的にどこが注目を集めているのか分かりやすいので人気がある分析方法です。
ゲイズプロットとは?
次にゲイズプロットを見ていきましょう。ゲイズプロットはユーザーがどういう順番で見たのかが分かるのが最大の特徴です。
ヒートマップは注目している点が分かりやすいのですが、どういう理由があってそこに注目しているのかという根拠を導き出すのが困難です。しかしながら、そこにゲイズプロットを加えることで、そこに視線が移動した理由を知ることができるようになります。また、視線を追うことで、何をユーザーが探しているのかを類推することもできます。
ヒートマップとゲイズプロットは目的毎に使い分ける
ヒートマップは複数のユーザーの情報を合成して見ていくことで平均的にどこに注目が集まっているのかを知ることができるのに対して、ゲイズプロットは基本的に個人のデータを見ていくのが特徴です。個々のユーザーをペルソナに見立てて検証を行っていくにはヒートマップよりもゲイズプロットのほうが断然役に立つことでしょう。
ヒートマップは見た目に分かりやすいこともあり、プレゼンにも向いています。またヒートマップは注目してほしいところに注目が集まっているのかどうかを判定する目的に適しています。
- ビジュアル的な注目の有無を判定するのであれば「ヒートマップ」
- 前後の動きからユーザーの心理的な行動を検討していくのであれば「ゲイズプロット」
と目的別に使い分けるのがベストです。
アイトラッキングを活用することで、デザイン面、構成面、ユーザー毎の目的に応じた最適化などができることから、WEBサイトのコンバージョン率を改善することができそうです!
アイトラッキングのセミナーを開催するそうです!
今回紹介させていただきました「アイトラッキング」ですが、日本マーケティング・リテラシー協会様でセミナーを開催することになったそうです。
株式会社きもちラボの代表の加藤康広工学博士によるセミナーで、脳科学の専門家としての観点からアイトラッキングの重要性、活用方法などを講義してくださるそうです。
2~3人1組でアイトラッキング1台を利用できるらしく・・ちょっとこれは興味深いですね。。。
[2017年5月30日追記]
下記セミナー、参加することにしました!6月23日が楽しみです!!
[セミナー詳細]
日時:2017年6月23日(金)13:00~16:00
場所:東京都中央区湊二丁目6-4 RKビル2F合同会社LYST セミナールーム
定員:15名(先着順)
詳細はクリックしてご覧ください!^^
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