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検索順位に直接影響がないからWEBサイトには構造化データをマークアップしなくてもいいって本当?
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インターネットの検索とはなんぞ、というお話
先日Google Home Miniがインクループにもやってきました。
この子に「インクループの電話番号教えて!」と尋ねると、インクループの電話番号を発音してくれます。
単にそれだけのことなのですが、ではこのGoogle Home Miniはいったい「どこのデータを参照しているのだろう」という疑問が出てきます。
もちろん情報源はインクループのWEBサイトでしょうが、このWEBサイトはGoogleとは何の関係もない普通の一般企業です。Googleさんの検索システムで表示されるけれどそれだけ。
インターネット上のWEBサイトを持つということは、現実世界で家を持つのとまったく同意義です。現実世界の家が建てられると、そこには必ず住所が割り振られます。住所のない場所は今では珍しいのではないでしょうか。
Googleはこの当たり前に提示される住所を一軒一軒確認していきます。特に中に誰が住んでいる、とか、何がある、といったことは詮索しません。ただそこに住所があり、そこに何かがある、ということを認識します。
インクループはこのGoogleさんの訪問(クロール)があったときに、「ここはインクループという会社で、WEBマーケティングやWEB制作、パソコン教室などをやっていて、電話番号はコレ、コンタクトフォームはこのページです」とお伝えしているんですね。
このお伝えするツールには「Googleマイビジネス」というツールを利用しています。企業さんなら必ずと言っていいほど使っているツールですね。
Google Home Miniは、Googleが検索システムで収集した情報を利用していると考えられます。つまり、Googleさんに何も伝えていないWEBサイトは、極論「あ、なんかWEBサイトあるな」くらいの認識しかされていない可能性があるのです。
今のご時世、WEBを作ったら大概の検索システムには認識されるようになっています。よっぽど巧妙に隠すようなことをしなければ、検索システムにある程度の情報は収集されるものなんですね。
構造化データとはなんぞ、というお話
例えば、私たちが会議のメモをとるとき、「場所:第二会議室」「時間:10:00~」「議題:今週の売り上げについて」などといったように、「場所」や「時間」や「議題」といった「見出し」を作ります。
「場所はこれです→第二会議室」「時間はこれ→10:00~」といったように、ロボットである検索システムに、「何を伝えているのか」という主語を明確にするデータですね。
上記でいうなれば、Googleマイビジネスを利用して、インクループは「会社名」「電話番号」「業務内容」といったことを、Googleさんに明確にしているのです。
この「見出し+内容」をGoogleさんにお伝えするための方法はいくつかあります。Googleマイビジネスもそのうちの一つですが、HTMLに直接打ち込む形で行うものが「構造化データ」です。
構造化データは「ボキャブラリー」という数多くの「カテゴリ名」と、そのボキャブラリーを利用して文章を構成する「シンタックス」で成り立ちます。
ややこしいのですが、例えるなら「植物」というくくりがボキャブラリー、「バラの中でも赤く大きなもの」がシンタックスです。「見出し」がボキャブラリーで、「内容や書き方」がシンタックス。
ボキャブラリーの種類
- schema.org
- data-vocabulary.org
シンタックスの種類
- JSON-LD
- microdata
- RDFa
Googleさんの推奨は「schema.org」を「JSON-LD」で記述する、という方法です。
構造化データはランキングに直接影響がないのでSEOに必要がない?
Search Engine OptimizationでSEOですが、直訳すると「検索エンジン最適化」です。
そもそも検索エンジン最適化ってなんぞ、というと話が長くなるのですが、「検索結果でWebサイトがより多く露出されるために行う一連の取り組み」のことを示します。
より多くの情報を、よりわかりやすく、より正確にユーザーに提供することがこのSEOの目的です。検索順位を上げることのみがSEOの目的ではありません。
より多くのユーザーに使いやすく、わかりやすく、を追求するのであれば、検索エンジンにわかりやすく情報を提供することは当然のことです。
構造化データは、GoogleにわかりやすくWEBサイトに何の情報があるのかを伝えるためのものです。しっかりとマークアップで来ているサイトに関しては、きちんとGoogleが「どういったもののためのサイトなのか」を判別してくれます。
その結果として、適切なワードでの検索で、あなたのサイトが選ばれた場合、検索画面にさまざまなグラフィックで情報が提供される場合があります。これがリッチリザルト、と呼ばれるものです。
リッチリザルトとは
過去、Googleはこれらの名称を、「リッチスニペット」「リッチカード」「エンリッチ検索結果」といったような名称で呼び分けていましたが、2017年12月にこれらの名称を「リッチリザルト」に統一、これをテストするツールを公開しました。(ベータ版)
ベータ版であるため、「求人情報」「レシピ」「イベント」以外はまだ対応していないようですが、ゆくゆくは多くの検索がリッチリザルトとして表示されるようになります。
リッチスニペットとは
リッチリザルトの一つであったリッチスニペットは「Rich Snippet」つまり「豊かな切れ端」のような意味合いです。
さまざまなサイトで調べてみると、スニペットとは「検索した際、ヒットするWEBページのタイトル下の数行のテキスト」のことで、ここはディスクリプションと呼ばれる部分にあたります。リッチスニペットとは、このスニペットの豪華バージョンで、以下のようなものが確認できました。今後は、これらリッチスニペットがまとめて「リッチリザルト」と呼ばれるようになっていきます。
レビュー
人物
商品
会社と組織
レシピ
イベント
音楽
また、リッチカードとはリッチスニペットの上位版のもので、より写真が強調されたものでした。今後はこのリッチカードも、リッチリザルト、と呼ばれるようになります。
その他、イベントのコース、本や映画なども存在しますが、こういったものに関しては大概「商品」としてのリッチリザルトで表示されるか、またはナレッジグラフで表示されることも多くなりました。
これらリッチリザルトは、すべて構造化データが読み取られることで成立しています。
リッチリザルトは、構造化データを挿入したからといって必ず表示されるわけではありません。検索したユーザーにより適しているとみなされた場合、優先されて表示されると考えられます。
リッチリザルトで表示して見せたい場合は、構造化データとともにコンテンツの充実がなされていること、また、検索ワードとの合致が正確に行われていることが条件となる可能性があります。
2018年2月現在は、以下のサイトでリッチリザルトをテストすることが出来ます。
強調スニペットとは
名前通り強調されたスニペットであり、ナレッジグラフとは区別されます。「特別なレイアウトで強調された通常の検索結果」であり、特段何か構造化データが必要であるわけではありません。
セマンティック・ウェブに基づいた内容で、検索ワードにもっとも適していると検索エンジンに判断されると、以下のように表記される場合があります。
セマンティック・ウェブ
WEBページや、その中に記載されている内容について、それが何を意味するかを示す情報(メタデータや構造化データ)を、一定の規則に従って付加することで、コンピュータが効率よく情報を収集・解釈できるようにする構想のこと。「人へ」のWEBではなく「データへ」のWEBに特化したWEBサイトの構築概念。
特にHTMLの構文がこのセマンティック・ウェブに基づいていると、「ユーザーからみても見やすいサイト」として、Googleに認識されることがわかっています。
ナレッジグラフとは
ナレッジグラフとは、「Knowledge Graph」で、「知識(ナレッジ)に関するベース」のことで、Googleの検索ページの左側に出てくる特別な枠の中身のことです。この枠は「ナレッジグラフカード」と呼ばれ、Googleが提供する知識ベースのカードとなっています。2012年にリリースされました。
ナレッジグラフの表示にはGoogleマイビジネスが密接に関係しますが、ナレッジグラフの拡張、その情報量の増加には構造化データが利用されるようです。
ナレッジグラフは、大企業や名前の知られた作品、有名人などに利用されるもので、中小企業がピックアップされることはあまり多くないようです。
セマンティック検索の重要性
セマンティック検索とは、利用者が何を求めて検索を行ったかという意味をコンピュータが正しく解釈し、それに即した検索結果を提供するという概念、または、そのための一連の技術のことである。(weblio辞書)
Googleの検索に、「会話文」を入れる人が増えてきています。
「最近の面白い記事は」や「近くの空いているカフェ」といった情報を入れても、Googleさんは検索結果を出すようになってきました。当然、これは音声検索にも有効利用されています。会話するように検索窓に「単語」ではなく「文章」を入れる人たちは、今後も増えていくでしょう。
セマンティック検索とは、こういった会話のような文脈でも、利用者が何を求めて検索したか、ということを、デバイスに登録された位置情報や日時などから読み取り、結果を提示するための技術や概念のことです。
「会話を求めるアルゴリズム」をベースに組まれているGoogleの検索結果は、このセマンティック検索(本質的検索)を重視しています。Google Home Miniに続いて、AppleのHomePodも米国で発売が開始されました。
道を歩いていると、端末を耳に当てることなく、歩きながらしゃべっている人がいることが多くなりました。音声検索がさらに勢いを増すことは必須でしょう。その際キーになるのはやはり構造化データである可能性が非常に高いのでは……?
構造化データを入れても、コンテンツの見た目に変化はありませんが、可能な限り挿入していきましょう。
次回は構造化データの具体的な例を提示していきます。
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