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VAIO PhoneのBCNランキングが前週からダウン。VAIO Phoneのブランディングとは
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出荷が追いつかないけど、在庫はあります
BCNランキングで、VAIO Phoneは先週の82位から101位と大幅にランクダウンしました。
理由は流通各社のバイヤーの反応が良いからだ。彼らは幅広い製品を取り扱っているので「これは売れる」という商品を見極める力がある。色々言われているが、一般のユーザーは、ニッチで高機能な製品を求めているわけではない。実際、今は予想以上のオーダー(5カ月で売上高40億円の見込み)を頂いていて、出荷が追いつかないほどだ。品質に影響がでないよう、フル稼働で作業している。足元ではSIMカードの出荷も増えている。
「VAIOフォンと初代iMac、戦略は同じだ」 東洋経済オンライン 2015年03月26日
上記記事では売れているような表現ですが、ヨドバシカメラ(4月3日23時に確認)の在庫状況などを見る限りでは在庫は十分にあるようです。(クリックで拡大)
ヨドバシカメラのレビューには・・・
色々スマホを購入してますが、VAIO Phone非常に満足いく端末です。
5インチサイズの画面を感じせないくらいに、とても手になじみます。
裏面もガラスで高級感ありますしやはり「VAIO」の文字がいいです。
またOSが最新のアンドロイド5.0というところもいですね。
また何より高速定額で一ヶ月2140(税込)なのが非常にお得です。
回線スピードも満足いく結果を出してくれています。
カッコよくて通信費は激安で快適。
買わない理由が見つかりません。
・・・・・そうですか。
VAIO Phoneのマーケティングは初代iMacや初代iPodと同じではないと思います
先程の引用で用いた東洋経済オンラインの記事「VAIOフォンと初代iMac、戦略は同じだ」の中で、日本通信の三田聖二社長は今回のVAIO Phoneのマーケティング戦略は初代iMacやiPodと同じだと述べています。
初代iMacも中身はベーシックな安いコンピュータだった。よりとがった、ニッチな製品を求める声も多い中で、カラフルな筐体にしてブランドを幅広いユーザーに広げていった。当初は「アップルにこんな製品を求めてない」などと酷評されたが、結局は機能ではなく、ポジショニングで大成功したわけだ。iPodも値段を高く設定して、洗練されたデザインで、ブランド戦略によってヒットした製品だ。
本当にそうでしょうか?
初代iMacは当時の一般的なPCのデザインからは誰も予想することができなかった衝撃的なデザインであり、ただ安いコンピュータという位置づけではなく、当時としては画期的な価格戦略であり、複雑なデバイスをUSBに統一する今後のPCの方針すら決めてしまうほど戦略的な商品でした。
また、初代iPodに関してはMP3をPCで聞くということが徐々に浸透していた時代で、MP3が外で聞けたらなぁ・・・って誰もが思い始めたジャストタイミングで、MP3を外に持ち出せる、しかも数曲ではなく、PCの中に保存しているMP3を全部持ち出すことができるという画期的すぎる機能を持つ商品でした。価格に関してもMP3を全部外に持ち出せるなら47,800円(税抜)なんて高いとは思いませんでした。
これら2つの商品とVAIO Phoneは同じでしょうか?
VAIO Phoneのどこに画期的な機能、斬新なデザイン、価格戦略があるのでしょうか?
他社が開発済みの端末にVAIOのロゴを印刷して、ちょっとデザインを一部変えてみただけの端末です。しかも、価格は基の端末よりも2万円近く高く設定。ブランドをなんだと思っているのでしょうか。ブランドというのは誇り高い理念がその奥に見えるからこそブランドと呼べるのです。
ブランディングとは他とは異なる価値を伝えることで構築される
たとえば、コメはコモディティ化した商品だが、地域ごとのブランド戦略で販売している。高級腕時計も、コストで言えば30~50万円出せば最高の機能が買える。ユーザーがそれ以上のおカネを払うのは、ブランドに対して払っているわけだ。コモディティ化した製品に対して、やれることは3つ。ブランディング。そしてパッケージング。ペットボトルに水を入れれば石油より高く売れるでしょ。
地域ごとのブランド化したお米にしても、高級腕時計にしても商品そのものがそこら辺で売っているものよりも良いものであるという信頼があるからこそ、消費者はブランドに対して対価を支払っているわけです。ペットボトルの水にしても、その水がただの水道水ではなく、富士山やアルプスで汲んだ天然水であり、飲む価値がある水と感じることができるからこそ、ペットボトルの水を高くても購入しているのです。
VAIO Phoneのやっていることは、今じゃすっかり見かけなくなりましたが、スーパーの衣料品コーナーで単なる白いTシャツにブランドの名前が印刷してあるだけの商品、あれと同じです。
ブランドとしての十分な価値がないものに、いくらブランドだけ貼り付けても、それではブランディングすることはできません。今日の消費者はブランドを有難がっているのではなく、そのブランドには確かな品質が約束されているからこそ、そのブランドに対する信頼を付加価値として高い金額を支払っているのです。
そして、そのような価値を作り出していくことがマーケティングではないでしょうか。既存の商品見つけてきてブランド付けとけば売れる!なんて考えることは本当のマーケティングではありません。
マーケティング(英: marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。
Wikipediaより
でも、こう思っているそうです。
ブランド戦略をよく知らない方からすれば、「何をバカなことをやっているんだ」と思われてしまったかもしれない。スマホはすでにコモディティ化した製品で、もはや差別化はできない。技術者は何とか絞りだそうとするが、少し付加価値があるだけではユーザーは評価しないし、おカネも払ってくれない。コモディティを売るためにはマーケティングしかない。
私の考えるブランド戦略とは全く違う世界のブランド戦略なのかもしれません。
少しも価値がないものはさらに評価されないし、お金を払うどころか、見向きもされなくなるのではないでしょうか?
技術者の何とか絞り出そうとすることを否定して、どうやって製品の価値を作り出していくのですか??その何とか絞り出そうとする努力が積み重なって出来上がるものが他とは異なる付加価値であり、それがあるからこそブランドイメージが構築されていくのではないでしょうか?
VAIO株式会社さんには、日本のものづくり精神に立ち返り、世界が驚くデザインとハードウェアを詰め込んだ職人魂のようなスマートフォンを作って頂けることを期待しています!VAIO版のNexusのようなコンセプトの端末が個人的にはいいのではないかと思いますが、いかがででしょうか?
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